アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎・花粉症イメージ

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜にアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が付着し、それを体が外へ追い出そうと過剰に反応することで、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れる病気です。

アレルギー性鼻炎の種類

診断と治療イメージ
通年性アレルギー性鼻炎:
ハウスダストやダニ、ペットの毛、カビ(真菌)など、季節に関係なく発症します。アトピー性皮膚炎や気管支喘息を併発しやすい傾向があります。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症):
スギ、ヒノキ、イネ、ヨモギ、ブタクサなど、花粉が飛ぶ季節だけに症状が現れます。目のかゆみなどアレルギー性結膜炎を伴いやすいのが特徴です。

診断には、鼻の分泌物に含まれる好酸球の検査や、血液検査によるアレルゲンの特定を行います。

治療

まずは、アレルゲンとの接触をできるだけ避けることが重要です。
通年性の場合は、室内の掃除や換気などで環境を整え、季節性の場合は、外出時にマスク・眼鏡・帽子を着用し、帰宅後は衣服の花粉を払い落とすことが効果的です。
症状が強い場合には、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の服用、鼻づまりに対するステロイド点鼻薬などの対症療法を行います。

花粉症とは

花粉症は、植物の花粉がアレルゲンとなるアレルギー性鼻炎の一種であり、日本では特にスギ花粉が主要な原因とされています。毎年2月から4月にかけて多くの人々がこの症状に悩まされ、他にもヒノキ、イネ科植物、ブタクサ、ヨモギなどが季節ごとに影響を及ぼします。

日本人の約4割が花粉症を患っており(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会2023年調査)、くしゃみや集中力の低下により労働生産性が平均20%低下することが報告されています(日本経済団体連合会 2019年調査)。これに伴い、医療費や経済損失は年間数千億円に達し、社会全体に対する影響は非常に大きいとされています。

花粉症の原因となる主な花粉と季節

2月〜5月(春)
  • スギ:2月上旬〜4月上旬(地域差あり)
  • ヒノキ:3月中旬〜5月上旬
5月〜8月(夏)
  • カモガヤ(イネ科):5月〜7月
  • オオアワガエリ(イネ科):5月〜8月
8月〜10月(秋)
  • ブタクサ(キク科):8月〜10月
  • ヨモギ(キク科):8月〜10月
  • カナムグラ(アサ科):8月〜10月

これらの植物は地域や気候条件によって花粉の飛散時期に若干の違いが見られます。年間を通じて何らかの花粉が飛散しているため、複数の花粉にアレルギーを持つ人々は特に注意が必要です。

アレルギー性鼻炎・花粉症の治療法と予防

アレルギー性鼻炎や花粉症の治療は、症状のコントロールと原因アレルゲンへの対応を基本としています。当院では、個々の症状やニーズに応じた効果的な対策を提供し、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。

薬物療法

症状の緩和には抗ヒスタミン薬(飲み薬)、ステロイド点鼻薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。鼻水やくしゃみが主な症状の方には抗ヒスタミン薬、鼻づまりが強い方にはステロイド点鼻薬が有効です。症状がひどくなる前、とくに花粉症では花粉の飛散が始まる1~2週間前から薬の服用を開始する「初期療法」が非常に効果的です。

生活習慣の見直し・環境整備

アレルギー性鼻炎の対策には、アレルゲンの回避が重要です。花粉症の場合、外出時にはマスクやメガネを着用し、帰宅後は洗顔や衣服をはたくなどが効果的です。また、洗濯物は室内で干すなど、アレルゲンとの接触を避けることをおすすめします。通年性アレルギーは、室内の掃除や換気、空気清浄機の使用、寝具のダニ対策が予防につながります。

舌下免疫療法について
当院では「アレルゲン免疫療法」の一種である舌下免疫療法を行っております。アレルギー症状を根本から改善することを目的とした治療法の一つです。この療法では、アレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)を少量ずつ体内に取り入れることで、体をアレルゲンに慣れさせ、過剰な免疫反応を抑えることを目指します。これにより、アレルギー症状の軽減や改善が期待されます。
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